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曰く、今の政に従う者は如何。嗚(ああ)、斗?(としょう)の人、何ぞ算(かぞ)うるに足らん』(論語、子路篇、金谷 治訳)。弱肉強食の世、呻吟する無告の民、庶人は自らの苦しみを誰にも告げることが出来ない。下克上の世に対して、孔子は名を正さんかという。春秋時代、氏族共同体が崩れていく中で、社会の秩序は大きく揺らいでいる。孔子の正名論は、旧秩序の回復を目指しているものではない。視線は塗炭の苦しみにあえぐ庶人に向けられていたと言うべきだろう。

管理者 今関弘道

★第1回 時代の変わり目、春秋時代から戦国時代へ

★第2回 孔子の出現と詩の学・書の学の確立

★第3回 孔子学団の形成、出自の尊卑を問わず